子育てを終えた主婦の皆さんが、健康維持のための卓球を始められます。
あるいは、中学高校時代は卓球部であったという方が、再開される場合もあります。
ピンポンするだけでは物足りなくなって、本格的な卓球をしてみたい、そう思うことも少なくありませんね。
しかし、練習は毎日はできません、
せいぜい週1~2回という前提ですから、時間をかけてじっくりとステップアップする基本練習が中心です。
しかも、個人レッスンが可能な場合でも1回当たり30分から1時間程度です。
卓球の練習が楽しくなくては長続きしませんので、卓球をする意味がありません。
卓球は年齢を超えて、楽しく運動することで人生を豊かにすることができる優れたスポーツです。
そこで、シニア世代の方が楽しい卓球をより楽しくするには、何が必要でしょうか。
それは上達することです。
ここでは、本格的卓球への基本練習について紹介します。
また、これがシニア世代を中心に卓球指導されている方にも参考として役立つと思います。
もちろんシニア世代だけでなく、いろんな卓球愛好家の練習や、中学校の部活の新入部員の基本練習・指導としても活用できれば幸いです。
卓球の基本練習
ドライブ打法のラリー練習
ショート打法の練習
ツッツキの練習
この3つの基本の技を同時期に練習することが大事です。
卓球はフォアハンドのドライブだけでは、バックサイドへのボールは対応できません。
バックサイドのドライブボールに対応するには、ショートが基本です。
カットにはツッツキで対応すれば左右の返球に対応するベースができて、初心者同士でも練習することができます。
できれば、マンツーマン方式で指導者と対戦しながら練習することが、我流でない正しい卓球の基本をマスターする上でとても大事です。
ドライブ打法のラリー練習は
できる限り美しいフォームでラリーができるように、最初はゆっくりとフォーム作りからスタートします。
個人の上達に応じてドライブのスピードを上げていきます。
そして、ときどきロングサーブをドライブでレシーブするだけの基本に戻る練習をします。
この練習で、フォームの乱れを修正したり、チェックします。
ラリーが10回以上続けられるようになると、台から1m~1.5m程度離れた位置からラリーの練習をしましょう。
ときどき、指導者と一緒に、
「足のひざを曲げているか」
「右足左足の位置はいいか」
「体の斜め前で打球しているか」
「脇を開きすぎていないか」
「不必要にバックスイングが大きくなってないか」
「しっかりとラケットを振り抜いているか」
等を確認して反省することが大事ですね。
ドライブ以上に大事な基本の技ですから、少し詳しく解説します。
レシーブの構えから練習しましょう。
左右どちらへでも対応するレシーブの構えは、バックサイドのサイドラインの後方に左足を置いて、やや右足を引いて前傾姿勢で構えましょう。
ラケットは、「小さく前へ習え」の感じで、利き腕でない方は少し下げて構えましょう。
そして、指導者がバックからバックにロングサーブを出し、ショートでレシーブする練習です。
このレシーブだけを繰り返す練習することで、ボールをラケットでしっかりとらえる勘をつかむことができます。
ラケットを「直角に当てて、押し出す」この練習が大事です。
角度はラケットやラバー特性に応じて微調整する必要があります。
肘が伸び切っていますと、コントロールが悪くなりますので、脇を閉めて軽く押し出す、これが練習のポイントです。
ボールをラケットでキッチリとらえるようになると、相手のドライブをショートで連続して返球する練習もしましょう。
ゆっくりとしたドライブをショートで安定的に返球するには、体の中心か体の中心よりやや左でボールを捕らえるようにします。
そのとき、ボールの状況に応じて左右に30センチ程度は動いてショートするようにします。
ショートをリズミカルに練習していれば、続けられるようになります。
5回以上ショートで安定して返球できれば、ドライブ攻撃を少しづつ強くしてもらってショートの練習をします。
速いドライブに対応するには、ショートでのラケットの角度が重要です。ネットにかかるようだと、ラケットの角度を立てる。
エンドラインを飛び出るようだと、ラケットをかぶせ気味にすることでショートの感覚を身に付けます。
ショートは瞬間の技です。
ときどきは、練習相手にスマッシュをしてもらいましょう。
それをラケットをボールに当てるだけでブロックする練習をしましょう。
何回に1回はラケットの角度がジャストミートすれば、うまくブロックできることもあります。
その感覚をつかむ練習になります。
ショートで一番難しいのは、高く上がったバックサイドへのボールをショートで返球することです。
思わず、後ろに下がろうとしますが、これではショートはできません。
決して下がらず、前で台にボールが落下した直後をショートするようにします。
この練習は、実戦的ショートになり初心者クラスから脱皮する必須条件です。
安定してショートができるようになれば、手首を使ってショートでボールに回転をかけることができ、威力的なショートになります。
やがて、このショートがバックハンド(ドライブ)として発展していくことになるのです。
シニア世代の方に対してバックフリック打法の練習をするときは、
「ラケットを自分の方に引き寄せて、ひじを支点にしてラケットをひっくり返すぐらい前に払え」
そう指導しています。
最初は、軽い上回転サーブをフリックレシーブする練習から入ります。
これをほぼ確実にコントロールしてフリックで入れるようになってくると、下回転サーブをフリックする練習にステップアップしていきます。
ラケットの引きつけは「チキータ打法」をイメージして、やや大袈裟に「ラケットを引きつける」このことを何度も繰り返し指導していくことがフリック打法を早く習得させるコツです。
この練習法で画像の方は、バックフリックを極めて短期間でコツをつかみました
安定したバックでのツッツキをマスターすることが基本です。
指導者がカットサーブを出し、それをラケットをやや上にして前に突き出すようにします。
最初、カットサーブを比較的切って出します。
するとボールはネットを越えません。
何回かサーブして、なぜネットを越えないか「ボールの底を踏み込んでツク」ように指導します。
どんなに切れていても、利き腕の足を踏み込んでボールの下を突けばネットを越えて入ります。
切れたときと、あまり切れてないボールのツッツキを短い練習で基本をマスターできます。
指導者がリズミカルにツッツキの練習指導すれば、あっという間にツッツキは上達します。
そして、上達に応じてできるだけ体の中心でツッツキをするように動いてもらいます。
概ねバックのツッツキを体得したなら、フォアサイドのツッツキを練習しましょう。
特に目線を低くして肩を突っ込むようにすればフォアのツッツキができます。
ネットより高過ぎるようだとラケットを少し立て、ネットに引っかけるようだとラケットを少し上向きの感じに前にツクだけで、確実に入るようになります。
仕上げは、卓球台全体を使って前後左右に対応するツッツキ練習をしましょう。
ツッツキの基本ができてから、切れたツッツキ練習にステップアップしていきますが、前後左右に動いて10回以上続けられるようになれば基本ができている証です。